タイヤ交換は店舗や整備工場等で行ってもらうとそれなりに作業料がかかってしまいますので、タイヤ交換を自分で行う方は決して少なくありません。
タイヤ交換と言っても大きく分けると以下の2種類があります。
1は機械がないとほぼ不可能な上に技術も必要なので、タイヤを買った所(カー用品店、ガソリンスタンド、ディーラー、通販の提携店等)で行ってもらう事をおすすめします。
2については自分で行う事が可能です。
本記事ではホイールに組み込んであるタイヤをホイールごと交換するタイヤ交換のやり方について説明していきます。
タイヤ交換の手順は以下の流れで行います。
タイヤ交換の手順そのものはかなりシンプルですが、知っておきたい事や揃えておきたい道具等があります。
本記事では初めての方でもタイヤ交換を安全に早く行える様に説明していきますので、タイヤ交換を自分で行いたい方は参考にして下さい。
まずはナットのサイズを知ろう
タイヤ交換の一番最初の手順としてナットを緩めますが、自分が乗っている車のナットがどのサイズなのか確認しましょう。
ナットのサイズは17mm、19mm、21mmのどれかになります。
ナットのサイズを知る為には一番確実な方法として取扱説明書を見る事です。もしくは「車種名 ナットサイズ」等で検索すれば分かる場合もあります。
タイヤ交換に必要な道具や工具
自分でタイヤ交換を行う場合は、最低限揃えておきたい道具や工具があります。
これだけあればタイヤ交換そのものは可能ですが他にも揃えた方が良い物もあります。
タイヤ交換の手間ややり易さは道具や工具でかなり変わってきますので、これからタイヤ交換に適した物も含めて紹介していきます。
レンチ
先述しましたがナットのサイズは21mmか19mmか17mmです。
レンチは自分の車のサイズの物だけでも問題ありませんが、車を買い替える事や家族や知人に頼まれる事等を考えると21mm、19mm、17mmの全てに対応出来るレンチをおすすめします。
ジャッキ
タイヤ交換を行う為にはジャッキが必要ですが、パンタグラフジャッキはおすすめしません。(下画像参照)
特に画像の様な手動式のパングラフジャッキは一度でも使った事がある方なら分かると思いますが、結構疲れますし安定感が無い上に一輪ずつしか上げられないので、あくまでも応急用として使う様にした方が無難です。
多少値段は高くなりますが油圧式のガレージジャッキをおすすめします。
タイヤ交換の安全性と早さは使用するジャッキにかかっていると言っても過言ではありません。
車止め
タイヤ交換を安全に行う為には車止めも必要です。
タイヤ交換を行う時にはAT車の場合はサイドブレーキ(パーキングブレーキ)とPレンジ、MT車の場合はサイドブレーキ(パーキングブレーキ)と低速ギアに入れておきますが、車の種類によっては二輪同時にジャッキアップを行うと全くブレーキが利いていない場合もあり得ます。
サイドブレーキ (パーキングブレーキ) | Pレンジ | ギア | |
ブレーキが利く所 | 後輪 | 駆動輪 | 駆動輪 |
FF(前輪駆動)の車の場合はサイドブレーキとPレンジ(またはギア)で四輪に全てブレーキが利く事にはなりますが、いずれにしても安全の為にジャッキアップを行う時は車止めを使用しましょう。
タイヤ交換の手順とやり方
タイヤ交換の手順は以下の通りです。
実際に業者で行う場合は業務用のインパクトレンチを使用する所がほとんどなので1と2は逆で行う場合が多いです。
※業務用のインパクトレンチでも緩まない場合はジャッキダウンして緩める場合もあります。
これから詳しく各々のやり方について説明していきます。
ナットを緩める
まずは交換するタイヤ(ジャッキアップをするタイヤ)のナットを緩める作業から始めます。前輪か後輪のどちらから行っても構いません。
センターキャップやホイールキャップがある場合は専用の工具を使用した方が無難です。よくマイナスドライバーを使う人もいますが、結構大変で下手をするとキャップを破損させてしまう場合があります。
センターキャップを外すなら
ホイールキャップを外すなら
ナットを緩める時はタイヤが地面に着いている状態で緩めた方が無難です。タイヤが地面に着いている事によってしっかりとタイヤが固定された状態になっているので、レンチで回す時に力が入りやすくなります。
注意点としてこれから交換するタイヤのみを緩める様にしましょう。理由としては車の位置や向き等を変える必要がある場合はナットが緩んだ状態で車を動かすとタイヤがガクガクしてネジ山を傷める原因となるからです。
ジャッキアップする
ジャッキアップを行う時は必ず平らでアスファルトかコンクリート等の硬い地面で行いましょう。また安全の為にジャッキアップをしないタイヤに車止めを使用して下さい。
ジャッキアップを行うにあたって「どこにジャッキをかければいいのか分からない」という方は多いでしょう。
車の取扱説明書に「ジャッキアップポイント」が図解で説明されています。もし取扱説明書が無ければネットで「車の型番 取扱説明書」で検索すれば閲覧出来る場合もありますし「車名 ジャッキアップポイント」で検索すれば分かる場合もあります。
ジャッキをかけても問題無い所は基本的に頑丈な所です。
ガレージジャッキで一度のジャッキアップで前輪を二輪同時に、後輪を二輪同時に上げれば2回のジャッキアップでタイヤ交換を出来るので、一輪ずつでのジャッキアップと比べると時間が半分以下に短縮出来ます。
上げる高さはタイヤが地面から3~5センチ程度離れれば十分です。
また、より安全に行う為にはジャッキスタンド(ウマ)を使用しましょう。
【タイヤローテーションも行うなら4本セットがおすすめ】
ナットを外してタイヤを交換
ジャッキアップしている状態で、予め緩めておいたナットを更に回して外します。ナットを全て外したらタイヤを外しますが、タイヤを外す時はやや上に持ち上げた状態でネジ山をなるべく擦らない様にしましょう。タイヤを入れる時も同様です。
ネジ山を擦って傷めてしまうとナットが回りづらくなるからです。
また交換するタイヤは溝をチェックして、溝が多く残っているタイヤを二本選んでおいて、FF(前輪駆動)と4WD(四輪駆動)の車は前輪に、FR(後輪駆動)の車は後輪に履く様にしましょう。
理由としては、駆動輪の方が減りが早いからです。溝が残っているタイヤを減りやすい所に履く事によってタイヤを総合的に長持ち出来る様になります。
ナットを締める
タイヤを入れたらタイヤを奥まで押し込んでナットを入れて回しますが、一番上にあるナットを手で回せるだけ絞めます。なぜ上から締めた方がよいかと言うとその方が安定するからです。
上を締めた後は下をナットを回さない方の手でタイヤを奥に押し込みながら手で回せるだけ回していきます。そしてナットが付いてない所にナットを入れて、また手で回せるだけ回していきます。
全てナットが付いたら今度はレンチを使用して締めていきますが、締める順番は対角線状あるいは星を描く様に締めていきましょう。(下画像参照)
【4穴ホイールの場合】
【5穴ホイールの場合】
ジャッキアップした状態で行うので車の種類によってはブレーキがかかっていない状態の場合もあり得ますが、ブレーキがかかっていなくてタイヤが動く場合は動かない様に手や足で押さえながら回します。
あまり締まらなくても後で本締めを行うのでレンチで回せるだけ回す程度で大丈夫です。
ジャッキダウンしてナットを本締めする
レンチである程度締めたらジャッキダウンしますが確認しておく事があります。
上記の事を確認したらジャッキダウンしますが、なるべくゆっくりジャッキダウンする様にしましょう。
ジャッキダウンしたら本締めを行いますが、やはり対角線状あるいは星を描く様に行います。レンチに乗ったりしないで必ず手で絞めて下さい。
タイヤ交換を自分で行う時に失敗しやすい事として「締め過ぎ」には要注意です。
適度な締め加減を行う為にはトルクレンチを使用する事をおすすめします。
トルクレンチとは締め加減を調整出来る工具です。トルクを設定して必要以上の力が加わるとそれ以上締まらない様になります。
上記はあくまでも目安なので車の取扱説明書に記載されているので確認しましょう。
本締めが終わったら今度は交換していないタイヤを今まで通りの順番に行って終了です。
まとめ
最後にポイントをまとめます。
タイヤ交換は安全に確実に行いましょう!
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