車のタイヤの減り方は4本全てが一定ではありません。前タイヤの方が減りやすい、後ろタイヤの方が減りやすい、タイヤの外側の方が減りやすい等と車の駆動方式や車のクセ、車に乗る人の運転方法等で様々です。
タイヤをずっと同じ位置で履いていると一部分だけ減って、スリップサイン(下画像参照)まで達してしまうとそのタイヤはもう使えなくなってしまいます。
タイヤローテーションは履いているタイヤを入れ替えて総合的に長持ちさせる為の手段です。しかしながらタイヤローテーションを業者に行ってもらうとなると1回だけで2,000~5,000円程かかってしまうので自分で行いたいという方もいるでしょう。
本記事では自分でタイヤローテーションを行うやり方について説明していきます。
ちなみに本記事ではパンタグラフジャッキを使用してスペアタイヤと入れ替えながら行う方法は、とても手間がかかりおそらく嫌になると思うのでおすすめしていません。
ガレージジャッキで二輪ずつジャッキアップしてジャッキスタンドを使用して四輪浮かせた状態で行うタイヤローテーションのやり方を説明します。
タイヤローテーションを安全に早く行い方は参考にして下さい。
タイプ別のタイヤローテーション
タイヤローテーションの目的はタイヤを長持ちさせる事です。
車のタイヤは4本ありますが基本的には駆動輪の方が減りやすいので減っているタイヤを減りづらい所に入れ替えて、減っていないタイヤを減りやすい所に入れ替える様に行います。
タイプ別(駆動方式等)でタイヤローテーションの一般的な入れ替え方を紹介します。
※回転方向指定有りのタイヤは後述しますが前と後ろの入れ替えのみとなります
【タイヤのFF車、4WD車の場合】
回転方向指定無しのタイヤ
【FR車の場合】
回転方向指定無しのタイヤ
【スペアタイヤを入れた場合】
回転方向指定無しのタイヤ
【回転方向指定有りのタイヤの場合】
タイヤローテーションを自分で行う為に準備する物
自分でタイヤローテーションを行う場合は道具や工具さえ揃えれば安全に早く行えます。
最初はそれなりにお金がかかりますが、一度買ってしまえば大事に使えば10年以上は持つ物が多いので長い目で見れば業者に頼むよりは安く済みます。
タイヤローテーションを安全に早く行う為に最低限必要な物です。個々について説明していきます。
ガレージジャッキ
ガレージジャッキの選び方でタイヤ交換やタイヤローテーションにかかる手間がかなり違ってきます。
【おすすめのガレージジャッキ】
ジャッキスタンド(ウマ)
ジャッキスタンド(ウマ)はタイヤローテーションを早く行う為には必需品です。
ジャッキアップした車をジャッキスタンドで支えます。
【おすすめのガレージジャッキ】
車止め
ジャッキアップを行う時に車が動かない様にする為に安全策として車止めが必要です。
車を停める時は一般的にサイドブレーキ(パーキングブレーキ)とAT車の場合はPレンジ、MT車の場合はギアを入れますが、車の駆動方式によってブレーキが前輪が利かない場合があったりするのと、ブレーキがかかっているとしても動かないとは限らないのでジャッキアップを行う時は必ず車止めを使用する事をおすすめします。
【おすすめの車止め】
レンチ
ナットのサイズは17mm、19mm、21mmのどれかになりますが、車を買い替えた場合等でサイズが変わる場合があるので全てのサイズに対応したレンチをおすすめします。
また本締めを行う時には締め加減が難しいのでトルクレンチを使用する事もおすすめします。
【おすすめのレンチ】
【おすすめのトルクレンチ】
タイヤローテーションのやり方
タイヤローテーションのやり方は以下の流れで行います。
これから個々について説明していきます。
全てのタイヤのナットを緩める
タイヤローテーションを行う場合は車を動かす事無く、4本のタイヤを全て緩めてから作業した方が効率的です。その為には以下の様な場所で行う事をおすすめします。
まずはナットを緩める事から始めますが、ジャッキアップをせずにタイヤが地面に着いた状態の時にナットを緩めて下さい。
一度緩んでしまえば必要以上に回さなくても大丈夫です。
前輪を二輪同時にジャッキアップ
ナットを緩めたらジャッキアップを行いますが、まずは後輪に車止めを置いておきましょう。
ガレージジャッキで前輪をジャッキアップします。
なぜ前輪からかと言うと、基本的には地上高が前の方が低いからです。先に後輪からジャッキアップしてしまうと前はただでさえジャッキアップしづらいのに余計に低くなってしまいます。
またガレージジャッキが入らない場合はスロープを利用すればほとんどの場合は車体にジャッキを擦る事なくジャッキアップ出来る様になります。
ガレージジャッキをかける場所は車の取扱説明書でジャッキアップポイントを確認して下さい。二輪同時にジャッキアップ出来るジャッキアップポイントを確認します。
ジャッキアップポイントにガレージジャッキをかけてジャッキアップをしますが、前輪が両方とも5~10cm程地面から離れた所までジャッキアップをして下さい。
前輪側にジャッキスタンドを置いてジャッキダウン
ジャッキアップをしたら前輪側のジャッキアップポイントにジャッキスタンドを置いて高さを調整します。ジャッキスタンドを置くジャッキアップポイントは車の側面のタイヤ付近(下画像参照)にあるので車の取扱説明書で確認して下さい。
上記の点に注意しながらジャッキスタンドを設置したらゆっくりジャッキダウンします。もしずれていたり不安定だと感じたら、すぐにジャッキダウンを止めてまたジャッキアップをして微調整を行って下さい。
ジャッキダウンして最終的に前輪が3~5cm位浮いた状態であれば大丈夫です。
後輪を二輪同時にジャッキアップ
前輪がジャッキスタンドで浮いた状態になれば、今度は後輪をジャッキアップします。前輪と要領は一緒です。
後輪側にジャッキスタンドを置いてジャッキダウン
後輪側にジャッキスタンドを設置したらジャッキダウンしますが、ガレージジャッキはジャッキアップポイントから少し離れた所で止めておいて、邪魔にならなければガレージジャッキは動かさずにそのまま残しておいた方が効率的です。
何故かと言うと、仮にジャッキスタンドが倒れてしまった場合はストッパーになりますし、ジャッキダウンする時もガレージジャッキを動かす手間が省けるからです。
タイヤを入れ替える
4輪全てがジャッキスタンドに支えられて浮いた状態で、予め緩めておいたナットを緩めてタイヤを入れ替えます。
先述したタイヤローテーションの画像の様に行いますが、絶対という訳ではありません。とにかくポイントとしては減っているタイヤを減りづらい所に、減っていないタイヤを減りやすい所に入れ替えていきます。
ナットを締める
タイヤを入れ替えたらタイヤが浮いている状態で全てのタイヤのナットを締めます。締め方は対角線状、あるいは星を描く様に行っていきます。(下画像参照)
【4穴のホイールの場合】
【5穴のホイールの場合】
最終的には後で本締めを行いますが、タイヤが浮いている状態でナットを締める目的はタイヤが奥までしっかりと入った状態にする為です。
ナットをハメただけでグラグラした状態でジャッキダウンしてしまうと斜めにハマった状態でよく締まらなくなる場合があるので、必ずタイヤが浮いた状態で奥までしっかりと入った状態になるまで締めましょう。
ジャッキスタンドを外してジャッキダウン
4本のタイヤを全て締めたら、後輪を少しジャッキアップしてジャッキスタンドを外してからゆっくりとジャッキダウンします。
後輪をジャッキダウンしたら同様に前輪をジャッキダウンします。
本締めする
4本のタイヤが全て地面に着いたら本締めを行います。本締めを行う時も、対角線状、あるいは星を描く様にナットを締めますが、トルクレンチを使用する事をおすすめします。
上記はあくまでも目安なので、車の取扱説明書で確認しましょう。
タイヤローテーションを行う時の目安
タイヤローテーションを行う頻度は5,000~10,000kmとされていますが、運転の仕方や車のクセ等にも影響があるのであくまでも目安です。
タイヤローテーションを行うべきタイミングは目視して明らかに他のタイヤと比べて溝の減り方が早いと感じた部分があった時です。
タイヤの溝がスリップサインまで達してしまったタイヤを1本でも履いていると違反となりまた車検も通らなくなってしまうのでスリップサインに達さない様にタイヤローテーションを行う必要があります。
こまめに溝の減りをチェックしていると減りやすい部分、減りづらい部分が分かってくるので、減りやすい部分に減っていないタイヤに入れ替えて、減りづらい部分に減っていないタイヤに入れ替える事によってタイヤを長持ちさせる事が可能になります。
まとめ
では最後にポイントをまとめます。
こまめにタイヤの溝をチェックしタイヤを長持ちさせましょう。
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