車の購入方法や利用方法が多様化している近年ではカーリースが注目されつつあります。カーリースは元々法人向けのサービスですが、最近では個人の利用も右肩上がりで増えてきています。(以下参照)
個人向け自動車リース市場が拡大している。日本自動車リース協会連合会(JALA、露口章会長)がまとめた3月末の個人リース保有台数(会員分)は43万7743台となり、3月末実績として初めて40万台を超えた。税金など複雑な維持費をまとめた月定額への需要が若者を中心に高まった格好だ。
自動車メーカーもこうしたニーズを取り込もうとサブスクリプション(定額利用)サービスを相次いで投入しており、個人リース市場での競争が激しくなってきた。
その一方でネット上の検索ではカーリースに対してネガティブに思われる様なワードでも検索されています。
(下画像参照)
気になる検索ワードは「カーリース デメリットだらけ」、「カーリース やめとけ」です。画像のデータはおおよその月間当たりの検索ボリュームですがかなりの検索数です。「デメリット」や「やめとけ」と言われる理由については後述します。
「カーリースにして失敗した」「カーリースにして後悔した」等と思うのはカーリースの契約内容を把握していないでカーリースの方が得だと思って契約するからです。
結論を先に言いますと購入とカーリースを比べるとカーリースの方が余計にお金がかかります。カーリース会社は支払いシミュレーションを行いあたかもカーリースの方が得だと思わせながら契約を取り、契約者はカーリースの方が得だと思って契約するから後になって後悔するのです。
ただカーリースはデメリットがあるにも関わらず利用割合が増えているのは当然メリットもあるからです。
本記事では「カーリースにして失敗した、後悔した」等とならない様にカーリースについてデメリットを含めて説明していきます。
デメリットの部分を受け入れて、それでもカーリースの方がよいと思った方の為に、記事の後半ではおすすめのカーリースをまとめていきますので、車をカーリースにしようか迷っている方は参考にして下さい。
「やめとけ」「デメリットだらけ」と言われる理由
まずカーリースを簡単に説明すると決まった額(月額)で契約期間中に車に乗れるサービスです。
レンタカーと違って「わ」ナンバーや「れ」ナンバーにはなりません。また新車でカーリースを始める場合は新車を購入する時と同じ様に車種、グレード、色、オプションを選択可能範囲内で自由に選ぶ事が可能です。
カーリースは車のサブスク(サブスクリプション)とも言われます。
サブスクと言えば、動画配信サービスの様に決まった額を支払えば使い放題というイメージがあると思いますが、車のサブスク(カーリース)はお金さえ払えば自由に車を使用出来る訳ではありません。
カーリースの一般的なデメリットとされている部分、「やめとけ」と言われる部分を挙げていきます。
※カーリース会社によって結構違いがあるのであらかじめご了承下さい。
一般的なカーリースのデメリット
・改造や大がかりなカスタムが不可
・途中解約で違約金が発生する
・返却時に残価精算が発生する場合がある
カーリースは購入よりも支払総額が増える
冒頭でも述べましたが、ほとんどの場合は「カーリースは購入よりも支払総額が増える」という部分を理解しましょう。
カーリースを取り扱っている所は大抵金利が高いローンと比べた場合のシミュレーション等を行って、お得感を強調していますがトータル的には購入よりも高くつくと思って下さい。
購入した車は売る事も出来ますのでお金が戻ってきます。戻ったお金を入れればトータル的には購入の方が得する事の方が多いと思って下さい。
なので安く車に乗りたいという部分を重視する方にはカーリースは絶対にやめた方がよいでしょう。カーリースのメリットは価格ではなく手軽さです。車を購入すると面倒な部分もあります。
車を購入した時に面倒となる点
・車の管理(車検、オイル交換、消耗品の補充等)は自分で行う
・車を手放す時(売る時)も自分で行う
・定期的に出費が大きくなり家計の管理が大変になる場合がある
カーリースに向いている人
・車の出費を定額で管理したい
・車に対して自分で手間をかけたくない
・定期的に車を乗り換えたい
・免許返納前に乗る車として
カーリースのメリットを活かせる利用例
カーリースのメリット
・新車を購入する時と同じ様にグレード、色、オプションを選べる
・契約終了時に継続、手放す、乗り換えを選べる
・契約期間を選択肢内で自分で決められる
定額にこだわるのなら均等払いとメンテナンスリース
よく月々〇千円台、一万円台と謡っているカーリース会社もありますが、月々の料金があまりにも安いと感じる場合はボーナス払いがあると思って下さい。ボーナス払いを加えるとカーリースのメリットである定額制という部分が薄れてしまうので、支払方法はボーナス払い無しの均等払いをおすすめします。
またカーリースはファイナンスリースとメンテナンスリースの2種類があります。
ファイナンスリースは、メンテナンス費用が含まれないリース契約で月額料金に含まれるのは車両価格、税金、自賠責保険、車両登録に関わる初期費用のみです。
メンテナンスリースは、メンテナンス費用が含まれるリース契約で、修理や車検にかかった費用をリース会社が支払うリース契約です。
月額料金には、車両価格や自動車税、自賠責保険料のほかに、車検基本料金や法定点検料、消耗品や部品・オイル等の交換費用、その他のメンテナンス費も含まれています。月額料金を支払えば、契約者の自己負担は主に燃料代と駐車場代となる契約です。
※自動車保険(任意保険)については後述します
カーリースのメリットである定額にこだわるのなら多少高くなってもメンテナンスリースを選ぶべきです。
カーリースの自動車保険(任意保険)について
カーリースには自動車保険(任意保険)は必須です。カーリースのメリットとして定額で乗れるという事でしたが任意保険はコミコミの所と自己負担の所があります。
もしぶつけてしまった場合は契約終了時には直さなければならないので車両保険も必ず入った方がよいです。車両保険に入ってないと直す場合は全額自己負担となってしまいます。
カーリースのメリットの部分である定額という部分を重視する方であれば自動車保険がコミコミの所、もしくはオプションとして任意保険を加えられる所を選んだ方がよいです。
タイヤ交換について
車の出費の中で割と大きいのはタイヤ代です。メンテナンスリースであればタイヤ代もほとんどのカーリースには含まれています。
ではスタッドレスタイヤについてはどうでしょうか?
カーリース会社によってはスタッドレスタイヤ代や交換費用までもメンテナンス代に含まれている所があります。
もしスタッドレスタイヤ代が含まれていない場合、自分で買わなければならず自分の所有物になってしまい、車が変われば以前履いていたタイヤとサイズが変わって履けなくなる場合があるので、自分で処分しなければいけなくなります。
なのでスタッドレスタイヤ代がメンテナンス代に含まれている方が後が楽になります。
冬にスタッドレスタイヤが必須の地域であればカーリース会社に確認しておきましょう。
カーリースには買い取れるプランもある
補足ですがカーリースには一定期間以上利用すると乗っていた車がもらえる(所有者が自分になる)プランもあります。※後に紹介するKINTOの様に必ず返却しなければいけない所もあります。
しかしながら結局購入するよりも高くなってしまうので長く契約する位なら初めから購入した方がよいでしょう。
カーリースを契約するのなら契約期間を3~5年位にして契約終了して他の車に乗り換えるのが、一番良いと個人的には思っています。
あまり手間をかけずに短期、中期で新車に乗り換える事が出来るのがカーリース特有のメリットだと言えるのではないしょうか?
距離超過の精算は契約終了時なのでトータルで考えればよい
先述しましたがカーリースにはほとんどの場合、距離制限があり大体は月間走行距離で表記されています。
ここで一つ疑問に下記の様に思う方は多いのではないでしょうか?
「月間走行距離が1回でもオーバーしたらダメなの?」と。
カーリース会社は月毎に走行距離をチェックする訳ではありません。契約終了時にチェックするので、トータルで制限距離を超えなければ問題ありません。月間走行距離で表記しているのは管理しやすくする為です。
走行距離は平均的に年間で10,000km位とされています。大体のカーリースの距離制限は1,000~1,500kmに設定されている所が多いのであまり遠出をしない方であれば、距離制限に関してはそれ程気にする必要はありません。
参考としてですが距離超過の場合は1kmにつき3~10円位が相場です。
オープンエンドとクローズドエンドについて
カーリース契約の注意点として契約内容の種類として、オープンエンドとクローズドエンドがあります。簡単に説明すると残価精算を誰が行うかです。オープンエンドの場合は契約者が行い、クローズドエンドの場合はカーリース会社が行います。
難しい話は抜きにして以下の様に違いがあります。
・リース代が安くなる
・契約終了時に残価の差額分を支払う場合がある
・契約終了時に残価分を支払えば買い取る事が可能
【クローズドエンド】
・オープンエンドに比べてリース代が高くなる
・契約終了時に残価の差額を支払う必要が無い(※酷い損傷がある場合は支払う場合は有り)
・契約終了時に買い取る事が出来ない(※出来るカーリース会社も有り)
おすすめのカーリース
ではここまでで一度整理します。
定額にこだわるのなら?
・自動車保険(任意保険)が含まれているカーリース会社を選ぶ
・クローズドエンドを選ぶ
KINTO
リース期間 | 3年・5年・7年 ※レクサスは3年のみ |
選べる車種 | トヨタ・レクサスの人気車種 |
メンテナンス | 基本料金にコミ |
走行距離制限 | 1,500km/月 |
任意保険 | 月額に含む |
「KINTO」(キント)はトヨタの新車を扱うカーリース(サブスク)です。
任意保険とメンテナンスが含まれているので決まった金額され支払えばあとは乗るだけです。もし事故やぶつけてしまった場合でも任意保険(車両保険含む)がコミコミなので、修理代は任意保険で賄えます。
通常の任意保険の場合は事故を起こすと保険料が上がる事がありますが、KINTOの場合は任意保険を使ったとしても値上がりせずにずっと定額で乗っていられます。
ただ注意点として等級は引き継げません。等級が高い人にとっては高くつく事がありますが、等級が低い若い人にとってはKINTOが一番安心して利用出来ます。
KINTOはトヨタ車(レクサス含む)しか取り扱っていなという部分がデメリットですが、トヨタ車に乗りたいという方であればKINTOの一択でよいと思います。トヨタ車なら他のカーリース会社よりも安い傾向があります。
公式サイトは↓
SOMPOで乗ーる
リース期間 | 3年・5年・7年 |
選べる車種 | 国産車・輸入車どれでも新車で選べる |
メンテナンス | メンテナンスプラン有り |
走行距離制限 | 1,000km/1,500km/2,000km/3,000km/月から選択 |
任意保険 | 損保ジャパンの任意保険をリース契約に組み込む |
「SOMPOで乗ーる」は国産車と輸入車を新車から選ぶ事が出来ます。
SOMPOホールディングス(株)と(株)DeNAが共同した(株)DeNA SOMPO Carlifeが運営していて、名前から想像がつくと思いますが損保ジャパンの任意保険に加入します。KINTOと違って等級は引き継ぎ可能です。
カーリースとしては珍しく輸入も新車で取り扱っています。
また他のカーリースにはないサービスとして、借りてる車をAnyca(エニカ)というカーシェアリングサービスを利用して収益化する事が可能なのでリース代を節約する事も可能です。
公式サイトは↓
ニコノリ
リース期間 | 1年~9年の範囲で設定可能 |
選べる車種 | 国産車(全車種) |
メンテナンス | オプションのメンテナンスパックあり |
走行距離制限 | 1,000km/月(相談も可能) |
任意保険 | 別途でリースカー専用の自動車保険に加入が可能 |
「ニコノリ」はニコニコレンタカーの(株)MICが運営するカーリースです。自宅に車を直接届けてくれるサービスがあるので忙しい人には適しています。
ニコノリでは「スピート納車」というサービスが好評で、ニコノリが指定する一部の車種に対しては納期が2週間程で納車されます。
また新車だと価格的に厳しい場合は中古車のカーリースも取り扱っています。
公式サイトは↓
リースナブル
リース期間 | 3年・5年 |
選べる車種 | 国産車(人気車種) |
メンテナンス | オプションのメンテナンスプランあり |
走行距離制限 | 750km/月(相談も可能) |
任意保険 | 無し |
「リースナブル」は名前の通り他のカーリース会社と比べて安めです。とにかく安くしたいのであればリースナブルを選んでおけば無難です。
またカーリースとしては珍しく途中解約OKとなっていて違約金は発生しません。(※実費負担が発生する場合有り)
あと改造もOKとされていますが、返却時には査定額が下がって残価の差額を支払う場合もあるので改造はしない方が無難です。
任意保険は自分で加入しますが、任意保険以外はサービスが充実しています。
公式サイトは↓
まとめ
カーリースに向いている人は以下の通りです。
・車を買ったり売ったりしたくない
・車のメンテナンスを自分で管理したくない
・新車を手間なく定期的に乗り換えたい
・あまり遠出をしない
・多少高くなっても車の費用を定額で管理したい
・若くてまとまったお金を用意できないけど新車に乗りたい
・近年中に返納を考えている
・気になる車を1~2年位で試乗
コメント
車必須地域なので勉強になります(^^♪
踏み間違え安全装置とか自動運転とかの車のリースがあったら、車がないと生活できない田舎のあと何年乗るか分からない高齢者に乗せればいいなってちょっと思いました。
ココ様
私も同じ事思っています。
ただリース会社にとってはリスクが大きいからあまりやりたがらないでしょうね!(^^)!