雪道を走る時は誰でも怖いものです。特に初心者となっては尚の事でしょう。
本記事では雪道を運転するにあたって初心者の方、あるいは雪道にあまり慣れていない方に対して安全に走る方法をまとめます。
先に重要なポイントをまとめると・・・
・スピードをあまり出さない。
・ハンドルを切っている時に、アクセルとブレーキをなるべく踏まない。
・タイヤが空転する様な運転をしない。
・合図を早く出す。
・マイペースを保つ。
スタッドレスタイヤは必須
当たり前の話ですがスタッドレスタイヤは必ず履きましょう。またノーマルタイヤにチェーンを巻けば問題ないと思っている人もいますが想像以上に危険です。
・駆動輪にしか巻かない為、ブレーキ(制動力)が弱い。
⇒特に隙間が多いチェーンのブレーキは実質ノーマルタイヤに毛が生えた様な物なので想像以上に制動距離が伸びてしまいます。
・横滑りには弱い。
⇒チェーンは縦の滑りには強いですが、横滑りには弱いのです。かつ駆動輪にしか巻いていない為カーブがまともに曲がれません。
滑り加減を試して速度や車間距離を決める
雪道は雪質や外気温、深さ、履いているタイヤの質等で滑り方が全然違います。走り始めの時、周りに人や車がいない所でブレーキを強めに踏んだり、少し急発進気味で走ったりして、滑り加減を確認しましょう。確認する事によってスピードをどの程度まで抑えたら良いのか、あるいは車間距離をどの位空ければ良いのある程度分かる様になります。
速度や車間距離は周りに合わせるのではなく自分が安全だと思った範囲で走りましょう。
カーブに入る前、上り坂が終わる前には十分な減速を
雪道で事故が起こりやすい原因は「見えない所を走る前に十分な減速をしていないから」というケースです。よくある例としてカーブや上り坂の頂上です。
カーブでブレーキを踏むのはそれだけで危険です。ハンドルを切っている時にブレーキを踏むと曲がりたい方向とは違う方向に行ってしまう場合があります。これだけにとどまらず、カーブに入ってから丁度車が詰まって止まっていたらどうでしょうか?高確率で事故になってしまいます。
上り坂も同様です。上った後は当然下り坂です。下り坂は制動距離が伸びるのは言うまでもないですが、下り坂に丁度車が詰まって止まっていたら、止まれずに追突してしまう可能性があります。
先が見えない所には何があるか分かりませんので入る前に絶対に減速しておきましょう。もちろん周りの車がしてないから自分もしないという事はやめましょう。
タイヤが空転する様な運転をしない
よく「急ハンドル、急ブレーキ、急発進はやめましょう」と言われていますが、雪道の場合だと普通通りの運転でもタイヤが空転してしまう場合があります。緩やかに操作を行う事はもちろんの事ですが、雪道では更に重要な事を伝えます。
タイヤの空転はタイヤのグリップ力よりも車の動きの方が強いから起こるのです。
急ハンドルにならない様にする為にはハンドルを緩やかに切るのはもちろんですが、ハンドルを切る前に十分な減速をしておく事の方が重要です。
急ブレーキを行わない為には、強くブレーキを踏まなければいけない状況にしない事です。つまり十分な車間距離を取る事と先が見えない所(カーブや坂等)に入る前に十分減速しておく事が重要です。
急発進をしない為にはアクセルを緩やかに踏むことはもちろんですが、滑りそうな路面(アイスバーン等)に車を乗せない事が重要です。
車線変更は特に注意
初心者が行うのに危険な事は車線変更の時です。雪道の車線変更は轍がある場合が多いので特に危険です。轍がある状態で急ハンドルを行うとスピンしてしまう場合があります。なので急ハンドルを行わない事はもちろんですが、轍がある所では車線変更を行わない様にしましょう。
また、ハンドルを切っている時にブレーキを踏むと制御不能になる場合もあります。雪道の運転に慣れてない時は出来る限り車線変更を行わない様にしましょう!
事故をもらわない為に早く合図を出す
雪道を走っているのにも関わらずあまり車間距離を取らない人はかなりいます。自分が気を付けていても事故に巻き込まれる可能性もあります。
防衛策として自分が速度を落とすときは必ず早めに合図を出す事です。例えば信号で止まる時は早めにブレーキを軽くポンポンと2回程踏んだり、大通りからコンビニ等に入る場合は早めにウインカーを出したりしましょう。
とにかく事故をもらっても損なので、事故をもらわない為には早めの合図を行う事です。逆に自分が他の車の後ろを走っている時に合図を出すのが遅い車もかなりいますので、車間距離を十分空けておく必要もあります。
エンジンブレーキではなくフットブレーキで減速しましょう!
よく雪道ではエンジンブレーキを使った方が良いと言われていますが、結論から言うとフットブレーキの方が安全です。スピードがそれなり出ている状態でいきなりギアを落とすのは危険なので絶対にやめましょう。
特にFF(前輪駆動)の車は危険です。エンジンブレーキは駆動輪にしか利かない為、そもそも制動力が弱いですし、前輪しかブレーキがかからないので後輪が振られてスピンしてしまう可能性があります。なので特にFFの車ではエンジンブレーキではなくフットブレーキを使いましょう。FR(後輪駆動)の場合も結局後輪しか利かないので制動力と安定性が無い事には変わりません。4WDの場合も2WDに比べれば安定はするでしょうが4WDにも色々な仕様がある為四輪均等に利くとは限りません。
特にABSの付いた車なら仮に強く踏み過ぎても作動するのでエンジンブレーキよりもずっと安全です。また、フットブレーキの方がブレーキランプも付くので後続車に対しての合図にもなります。
速度を落とすときは、フットブレーキを使いましょう!
雪道を安全に走る為のコツ
ここまで述べてきた事も踏まえて雪道を安全に走る為のコツをまとめます。
⇒先頭を走ると後ろからのプレッシャーを感じなければならず後ろに連なってくると焦ってスピードが上がってしまう傾向があります。その状況でカーブがアイスバーンになっていたら事故の元です。なるべく譲って先頭を避けましょう。
信号の近くでは速度を緩やかに落としておく
⇒信号はタイミングの悪い時に変わってしまう場合があります。信号の近くではある程度速度を落としておいて変わっても止まれる様にしておきましょう。
カーブではなるべくアクセルもブレーキも踏まない
⇒カーブでアクセルやブレーキを踏むと制御不能になる場合があります。カーブに入る前には十分に減速し、また加速もしない様にしましょう。
滑りそうな所にタイヤを乗せない
⇒轍は割とアイスバーンになっている傾向があるので少しずらしてなるべく雪が被っている所を走った方が良い場合があります。状況にもよりますがなるべく滑りそうな所にタイヤを乗せない様にしましょう。
雪が無い所でもスピードを出さない
⇒雪道で特に危険なのはずっと雪道の状態よりも所々雪がある場合です。雪が無いと思っていても日陰や橋の上等にピンポイントで雪が残っていたり凍っていたりする場合があります。雪が無いからといって、飛ばしたり車間距離を取らない運転はやめましょう。
危険な所では停まらない
⇒道路を走っていると信号であったり、渋滞等で止まらなければいけない場合もありますが、自分が停まる場所も重要になります。信号待ちで先頭なら、滑って曲がりきれない車と衝突を避ける為に停止線よりもやや後ろに停めましょう。またカーブで渋滞している状態で自分が一番後ろならカーブに入る手前で停めて(後続車が気づきやす所に停める)ハザードランプを付けておきましょう。
雪道は慣れてからの方が危険、初心忘るべからず
雪道を安全に走る為には行き着くところは、スピードを出し過ぎない、車間距離を十分に取る、見えない所の前では減速しておく、主にこの3つです。
ところが実際に雪道を走ると上で挙げた様に走らないドライバーがかなりたくさんいます。それが当たり前だと思い自分もペースを合わせてしまうと事故の元となってしまいます。自分が車を運転していて少し怖いなと感じたら無理に周りとはペースを合わせずにマイペースを保つ事が重要です。
本記事では主に初心者や雪道に不慣れな方に向けての内容ですが、これから言う事が一番忘れてはいけない内容です。雪道に慣れてない状態であればある程、割と雪道の運転は気を付ける傾向があります。雪道に数年乗っているといつの間にか慣れてしまい、気が付いたら雪道を走るにしては速すぎるスピードで走ってしまう人が多くなります。
雪道は怖がるくらいがちょうど良いのです。「初心忘るべからず」です!!
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